コートが欲しい!(さをり織の話 その2)

今回はフレッシュな話題と思い、この記事を書いている2日前に織り上げた布の話です。

秋になり、仕立てたワンピースを着て出かける時、持っている服で似合う上着がなく、さて、どうしたものか・・・・と思いました。

さをり織で仕立てた黒の上着を思い出し、合わせてみると、とても良い感じでコーディネートできました。

 

この上着、着るとお尻がちょっとだけ隠れる丈なので、冬に向け、「長い丈の上着が欲しい!」と思い、すぐに先生に作りたいと言いました。

もちろん、直ぐに「OK」との返事をいただき、縦糸はコットン系、横糸はウールで作ることにしました。

 

私の体に合わせて、8.5mで整経しました。

整経の作業や筬通しなどしていると、『次は何を作るの?』と声がかかります。

私は「長い丈の上着です」と答えていましたが、

ある方が『それ、コート?』と優しいツッコミ。

「あっ、そうです、コートです」と答えながら、そっか、私、コートが欲しかったんだと笑ってしまいました。

 

そのコートを作るための布が出来上がり、お教室のInstagramに載せてもらいました。

 

手織適塾SAORI 東京のInstagramより掲載

 
 
 
 
 
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コートのため、布地を厚くするため、横糸は2本どりで織り始めました。

織り始め、色見本みたいな状態になって、ガックリ・・・となりました。

(自分のしたことですが、なんか_| ̄|○って感じたのです)

 

織り進めながら、「これはコートになるのか?」と自問し、どこへ向かって織っているのかわからず、考え込む時間が増えていきました。

 

そんな私を見て、先生が、ご自身のコートを見せてくださいました。

先生の作品が先生でした。

そして、自分が向かう方向が見えてきて、今織っているものにがっくりすることはない、大丈夫だと思いました。

 

お教室では他の方の作品に触れ、楽しい会話もあるので、インスピレーションを受け取りやすい環境だと個人的に感じています。

 

さて、先生の作品を見る前、2本以上の横糸で約8mを織るため、グラム数を増やすと織り上がった布の代金が高くなるというケチな心が働き、なんとなく、たくさんの糸を使えませんでした。

しかし、先生の作品を見た後、お金のことは考えず、やりたいことをやると決め、衝動のまま、一度に4本から5本を選び、ぐるぐるとボビンに撒いて織りました。

 

実は、体験コースで小学生が織っていると、糸の本数の制限なく、自分のやりたいように、ぐるぐるとボビンに撒き織る姿を目にすることが多いのです。

それを見て、「あぁ、私もやってみたい、でも、子供だからできるんだよね」と勝手にあきらめていました。

 

今回、衝動にまかせて織り、大人だってぐるぐるできるんだと、自分が勝手に制限を作っていることに気づきました。

出来上がった後の計量で思っていたよりも軽く、ケチな心を手放して良かったと思いました。

 

さて、ウールで8.5mを織ってまとめると、反物のようになります。

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別のアングルから

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片手で持つのがちょっと難しい太さの布をこれから縮絨して、仕立てに入っていきます。

 

縮絨後、またちょっと雰囲気が変わると思います。

そして、どの部分の布をコートのどの位置に持ってくるのか。

それを考えながらコートが出来上がる予定です。

 

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 Kaoru Kurosawa
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