ミルラ(Myrrh)

静寂と知恵

Silence and wisdom



この絵はエッセンシャルオイルの妖精たちのカレンダー用に描いたもので、約4年前の絵になります。

ミルラはイエスの誕生の時、東方の博士が持ってきた3つの贈り物の中の一つで、日本語では没薬になります。

東方の博士たちが持ってきた贈り物は、フランキンセンス、ミルラ、そしてサンダルウッドでした。

私は子供心に、イエスの贈り物になる高価なものを一度でいいから見たいと思いました。

エッセンシャルオイルに出合い、フランキンセンス、ミルラ、サンダルウッドの香りを実際に嗅いだとき、ありえないことが起きたという感覚と同時に、出会えた嬉しさがふつふつと湧き上がってきたことを思い出します。


さて、ミルラの絵を描いたとき、ミルラの木に女性がいる、と思ったので、このような絵になり、ファンタジー色が強いものになりました。

描き終えたとき、静寂と知恵という言葉が出てきました。
このような絵になったことを今でも説明できないのですが、この絵を描いた当時の私にとってのミルラでした。


ミルラのことを調べていくと、古代文明で、薬、宗教儀式、弔い、秘儀などに使われていた歴史があることがわかります。

また、香りの効能として、心に静寂と平和をもたらす力もあるそうです。

この絵を急にWEBに公開したくなったのですが、よくよく考えてみたら、今だから意味がある絵になったのかもしれません。

平和について考えなければならない現実がいろいろな場所で起きている今だから、自分の心に平和を持つことを考える、そのようなときに、この絵を思い出してもらえたらうれしいです。


Kaoru Kurosawa
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